SARACA

 

Laboratory for Social Analysis of Regions And Climate Alteration


筑波大学

地域と気候変動の社会問題解析ラボラトリー

ミッションと目標

アジア地域は近年、気候変動のため、異常気象や災害発生頻度が増加し、その被害の度合いが年々深刻化している。自然環境が変わり、水資源の確保や公衆衛生を保つことができないことや、貧困と人口増加等の社会・経済的要因が重なり、様々な健康問題と社会問題が各地で起きている。一方、日本をはじめとする東アジア諸国の人々は健康や社会の問題に関心を持ちながらも、他のアジア諸国の深刻な問題は「対岸の火事」とみなす場合が多く、同じアジアであるが、比較的無関心である。

近年、アフリカでは気候変動に伴う様々な危機に対して国レベルでは対応できなくなった地域の移民・難民問題が近隣のヨーロッパ諸国で深刻な問題になっているが、人口の多いアジアでもこうした現象が起きることは予想できるため、先んじた取り組みが必要である。我が国においても経済格差、貧困、治安といった社会問題はグローバル化と気候変動により、無視できないものになるであろう。同時に、超高齢化社会の中でのコミュニティー維持は難しくなることが予想できるため、いままで以上に防犯や防災のための市民社会の維持が重要になるであろう。

日本でも異常気象による災害も発生し、新たな伝染病(デング熱等)の感染リスクも高まっているが、アジア全体では異常気象は常態化していて、食料や水資源、エネルギーの確保はどの国も直面している問題である。それに伴う安全保障上の問題は、アジア全体で起きていて、我が国においても解決しなければならない課題は多い。こうした課題の総括的な防止や低減方略を検討するため、共通課題を明確化し、アジア地域のための指針となるよう社会問題に取り組む総合的なラボが必要である。


2016年7月  

地域と気候変動の社会問題解析ラボラトリー長


海後宗男